「何が」ではなく「なぜ」を、「歴史用語の多さ」ではなく「その関係性」を大切に。

I東南アジア諸国における、共通した特性 I東南アジア諸国における、共通した特性

○私はヒンズー教徒であり、イスラム教徒であり、キリスト教徒であり、ユダヤ教徒です。枝は違っても皆、一つの木なのです―ガンジー

 

地域としての、東南アジアのあり方

 東南アジアとは、インドシナ半島を中心とした大陸部と、南部の島々からなる諸島部からなる。

 

 大陸部にはタイ、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、マレーシア等があり、無数の諸島部はおもにインドネシア、フィリピンが治めている。

 

 東南アジアは諸国は、原則として中世までに 3 つの文化圏により区分けされた。

 

 それは中国(漢字)文化圏インド・仏教文化圏、およびイスラム文化圏である。

 

 もちろん東南アジアの各国には、さまざまな個性があり、東南アジア諸国を単純に十把一絡げではあつかえない。

 

 しかしまず、東南アジアの国々に共通して言えることは、国民の気質がおだやかでありそのため悪く述べれば受動的で植物的という点だ。

 

 東南アジアでは、近代からの西洋列強による支配に対し、インドやアラブのような抵抗運動が主体的に現われることは少なかった。

 

 極言すれば、東南アジア諸国の植民地支配からの脱却は太平洋戦争における日本軍のアジア解放運動という契機がなければ、起きなかった

 

 東南アジア諸国のこうした気質は、何によるものであろうか?

 

 これは端的に述べれば、東南アジア各国はしっかりとした個別の民族意識をもつ前に中国化、インド化、イスラム化されていったからである。

 

 したがって、国をまとめるナショナル・アイデンティティが希薄であることが考えられる。

 

 たとえば日本も、古代には中国の影響をおおきく受けた。

 

 しかしそれ以前に日本は、一つの国として統一され、その中枢として〈朝廷〉が生まれている。

 

 よって日本は、大国・中国に対し、属国となることはなかった。

 

 ところが東南アジア諸国は、そうではない。

 

 東南アジアでは、国家らしき共同体が発生するときには、すでに中国、インド、イスラム勢力といった大国に感化されていた。

 

 そうした点を考慮し、東南アジアの歴史を概観する。

東南アジアは、どのように発展していったか

 東南アジアは温帯、もしくは熱帯地域にあり、空気も湿潤なため、食資源や水産資源に恵まれていた

 

 したがって、早い時期から複数の少数民族たちが南下し、この地に住み着き、小さな国家を形成した。

 

 それにより異なる言語圏や政治権力ができたが、東南アジア諸地域で使われる言語は、似通ったものが多い。

 

 東南アジアでは香辛料がよく採れたが、これが古代ではインド人、中世にはイスラム商人に対し、たいへんな魅力となった。

 

 そのために東南アジアは、外部に向かって貿易を展開することとなる。

 

 15 世紀からはマラッカを中心とした、おもにイスラム商人を相手にする市場が開けた。

 

 しかし 16 世紀からは、東南アジア諸国は西洋列強による草刈り場となっていった。

 

 また19 世紀以降の当地は世界市場に組みこまれ大陸部では農業開発が、諸島部ではスズやゴムなどの資源開発が進んでいった

 

 その間にインドや中国南部からも人は移動して来て、現在の東南アジアが形成されていったのである。

 

 

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管理人 水無川 流也