「何が」ではなく「なぜ」を、「歴史用語の多さ」ではなく「その関係性」を大切に。

G古代ギリシャ-西洋世界が史上はじめて、東洋帝国を破る G古代ギリシャ-西洋世界が史上はじめて、東洋帝国を破る

〈ポリス〉の歴史的意義

 ここで世界史的観点から、古代ギリシャにおける〈ポリス〉成立ががもつ意味を考察する。

 

 まず第一点は、言うまでもなくポリス〉における直接民主制は、近代デモクラシーの原点となったことである。

 

現代の世界において、ある国が「近代国家」を自称するならば、「民主的であること」が大前提である。

 

 近代国家の思想的バックボーンを形成した思想家たち、たとえばフランスの思想家・ルソーやドイツの哲学者・ヘーゲルなどはみな、古代ギリシャの民主制を「近代民主主義〉の原点」ととらえている。

 

 たしかに古代ギリシャは奴隷制を採用していた。しかしその奴隷をのぞけば、アテネにおいては市民たちは原則的に自由で平等なのである。

 

 この点について、他のアジアの専制国家より“自由”の概念が進展したのは事実である。

 

 ではポリス市民たちがもつ、“国家”に対する意識とは、他のアジア的国家住人たちのものとくらべ、どう異なるのであろうか?

共同体としての〈ポリス〉の特殊性とは?

 まずアテネのポリス市民は、政治や国防、および戦争に参加することを、主体的かつ「“市民”としての権利と義務にしたがい」におこなった。

 

 彼らは自分たちはアテネ、もしくはギリシャという国家を構成する国民だという意識を、つねにもっていたのだ。

 

 その積極的な愛国心が、ポリス市民の根底にあった。つまりポリスとは、自分たちのものだから、自分たち自身で守らなければならないと考えたのである。

 

 他のアジア諸国においては、国民が戦争へおもむくことは、強権をもつ王の命令によりなされた。

 

 またそのように民衆が戦闘に加わる場合、たとえその動機に積極性があったとしても、それは土着的な郷土愛や、報酬目当ての我欲であった。

 

 つまり彼らの意識はいまだ“私的”であり、決して“公的”なものにまで、高まってはいないのだ。

 

この点こそ、アテネのポリス市民たちの認識における特殊性である。

古代ギリシャにおいて、ポリスが成立しえた理由

 ではなぜ、古代ギリシャでポリスは誕生できたのであろうか?

 

 まずアテネのケースを見る。

 

 その謎を解く二つのカギは、「アテネが貿易立国であること」と、奴隷制を採用していたこと」にある。

 

 もともとアテネのポリスは、最初から民主制を採っていたわけではない。アテネの場合にせよ、はじめは支配者として貴族が存在していたのである。

 

 ところがギリシャのアテネ地方は土地が貧しく、農作物があまり生産できなかったので、市民は外国との交易により、生計を立てざるをえなかった。

 

 また個々の民衆のあいだでは、たとえばインドのような階級分化は存在しなかった。

 

 だから市民たちは、自己の能力により商売によって財産を築くことができた。すると成功した商人の発言力は、共同体内で大きくなっていった。

 

 それによりやがて彼らの存在は、貴族のもつ特権を無効にしていったのだ。

 

 またアテネ国内においては、人口の 3 分の 1 が奴隷だった。

 

よって市民たちは、面倒な家事や労働をすべて奴隷にやらせ、自分たちは商売に専念できたのである。

 

 だがスパルタの場合は、若干、事情が異なる。

 

 スパルタは軍事的指導者たちが貴族であり、市民は彼らに従いつつ、武力により支配した土地の住民を奴隷とした。

 

 またスパルタはペロポネソス半島の内部に位置していたため、アテネと違い農耕が可能だった。

 

 スパルタ人たちは、奴隷を農業に従事させ、自分たちはおもに軍事活動に注力したのだ。

 

 その理由は、スパルタは軍事国家なので、対外的にはつねに戦争に勝利しなければならなかったから。

 

 また対内的には、圧倒的な人数の国内奴隷を、武力で従属させるためである。

 

 スパルタの国家体制は、非常に全体主義的である。スパルタ人たちはアテネ人のように「人のために国がある」とは考えない。

 

 逆に「国のために人民が存在する」という価値観をもっている。

 

 だからスパルタの民衆は、「義務として」国のために死ぬことも要求され、またその要請を甘受した。

 

 興味深いのは、このアテネとスパルタの関係は、20 世紀における米ソの冷戦構造に似ている点である。

 

 自由主義を標榜するアメリカと、全体主義的な共産制を挙げるソビエトが、おたがいの正義を主張しながら、競い合っていたことを思い起こさせる。

 

 アテネとスパルタ、どちらに理があったとは、ここでは言えない。

 

 しかし文化史的事実として、以下のことは断言できる。

 

 いまに残る古代ギリシャが生んだ豊穣な文化、たとえば哲学、文学、史学その他の学問、および芸術作品などは、ほとんどがアテネで生まれたものだ。

 

 国家としてのスパルタが、文化面で歴史に残した遺産は、ほぼゼロである。

 

ペルシア戦争勝利がもつ意味

 さてその後、ギリシャ同盟軍はアケメネス朝ペルシアの軍隊を破った。このことは世界の歴史において、どういう意味があるか?

 

 これは新興地域にすぎない西洋が、数千年の歴史をもつ東洋にある大国に勝ったという、画期的な事件なのである。

 

 現代は政治・経済・文化・言語と、地球上すべての文明が西洋近代の産物により成り立っているので、想像しがたいかもしれない。

 

 しかしこの出来事は、現代に置き換えれば、ベトナム戦争以上の意義がある。

 

 20 世紀における地上最強国家であるアメリカを、アジアの小国でしかないベトナムが破った以上のインパクトがあるのだ。

 

 またこの戦勝は、後の古代西洋隆盛における伏線的意味合いがある。

 

 それは現代から見ると、アレクサンダー大王による大遠征、またはその結果、誕生した大帝国、あるいは古代最強国家ローマ帝国成立などの露払いのように思える。

 

 事実、ペルシア戦争後、紀元後 7 世紀にイスラム帝国が勃興するまで1,000 年以上は、地中海の覇権は西洋人が握ることとなった。

 

 ペルシア戦争とはまさに、パラダイム(歴史的価値観)の転換を象徴する大事件だったのである。

ペロポネソス戦争と、ポリス社会の終焉

 ペルシア戦争後、ギリシャはアテネとスパルタの反目が激しくなり、やがて両者は戦争へと至る。

 

 前述したように、この戦争ではスパルタが勝利する。しかしそのスパルタも、やがて他のポリス、テーベに滅ぼされることとなる。

 

 そしてそのテーベもまた、その後、復活したスパルタやアテネと抗争をくり返しながら、最終的にはマケドニアのアレキサンダー大王に征服された。

 

 これにより古代ギリシャの〈ポリス社会〉そのものがなくなったのだ。

 

 しかしその根因は、戦争という外部からの抑圧によるものではない。それはあくまで、滅亡への契機にすぎず、実際にはポリス社会内部が腐敗して、機能不全に陥っていたのだ。

 

まずアテネでは、民主主義が行きすぎ、衆愚政治と化した。これにより市民からの人気だけはある独裁者が多数、出現し、アテネの民主主義は終わった。

 

 またスパルタもテーベとの戦闘により、戦術に巧みなテーベの将軍たちによる策に敗れた。

 

 このことは硬直的な軍事国家というものは、いかに武力に秀でていようが、巧妙な知略に対しては通用しないことを教えてくれる。

 

 その後のギリシャは、アレキサンダーの大帝国やローマ帝国に組みこまれ、もはや歴史上において主役になることはなくなった。

 

 つまり、古代ギリシャの歴史的役割は終わったのだ。

 

 それでもギリシャが生み出した様々な原理、たとえば政治や経済の体制、思想や学問等は、ローマが引き継ぎ、それが大帝国の公理となった。

 

 この古代ギリシャとローマの関係性は、近現代におけるヨーロッパとアメリカのものと理論的には同一である。

 

 ここを喩えて言うならば、以下のとおりである。

 

 ギリシャやヨーロッパは自動車のモデルカーを開発した。そしてローマやアメリカはそれを大量生産し、世界中に輸出したのである。

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管理人 水無川 流也